ある一人のアイドルと、初恋のこと
少し静かな夜を過ごしたくて、宇多田ヒカルを流していた。
Netflixドラマのために再録されたFirst Love 2022に続いて流れたのは、
わたしが数年前に「First Loveの再録なんだな」と思った「初恋」だった。
不思議なことに、キンプリの平野紫耀くんの顔が浮かんだ。
シンデレラガールやichiban、Trace Trace。彼らを象徴する曲ないし2022年の彼らの代表曲は、
意図したのかしていないのか知らないけど、彼らが5人でいること、離れることを歌った曲のように思えてならなかった。
深い思い入れも正直なくて、いちアイドル好きとして、紛れもなく天才だと思っていた平野紫耀。
好かれるべくして、人気になるべくしてスターへの階段をかけていった5人に見えた。
平野紫耀とは同級生で、周りは転職を考える時期で、考える舞台はまるで違えど、人生を逆算するタイミングなんだと思う。
彼は天然だばかだなんて言われるけど、わたしにはそうは見えなかった。
恐ろしいほどの野生の勘を研ぎ澄ませてじっと周りを睨んでいるように見えた。その視線は聡い。
自分に何が求められているのか、今の、ジャニーズの平野紫耀で求められていることに答え続けていくこと、
それを繰り返して繰り返して、体は嫌でも衰える、踊れなくなった時に、それは後悔しないのか。
彼がブログで綴った「怖くてたまりませんでした」が頭から離れない。
そんなことを言われて仕舞えば、脱退取り消し、なんて言えないんじゃないのかなあ、なんて思った。
前おきが長くなった。
そう、「初恋」とともに頭に浮かんだのが、平野紫耀でありドラマ「花のち晴れ」の神楽木ハルトだった。
ジュニアは知らなかったから、初めてちゃんと認識したのがあのドラマだった。彗星の如く現れたヒーロー。
平成を抱いた男と呼ばれた木村拓哉、世代交代したんだよ。あの時代の初恋相手は、多分みんな平野紫耀だったのだ。
もう戻らない。寂しいね。